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院長日記 | JR香椎駅直結のクリニック
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DOCTOR’S DIARY

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2025年1月26日(日)

博多リウマチセミナー

2025年初の院長日記です.本日,博多リウマチセミナーが終わりました.本セミナーの準備を正月返上で行ってきましたので,ようやく新年がやってきた感じです.

このセミナーは,小生のリウマチの師匠であります近藤正一先生を代表世話人とする,医療者向けのリウマチの勉強会です.毎年1月の第4日曜日に福岡市で開催しており,2000年に第1回が開催され,今年で24回目の開催となりました.毎回,リウマチの診療に携わっておられる皆さんが知りたいと考えられる話題に関して,各分野の専門の先生に講演をしていただいております.毎年250名以上の参加者がおられ(現地とネットでのハイブリッド開催),遠く北海道から参加された方もおられました.

今回,小生は,“RAにおけるJAK阻害剤使用状況 博多リウマチセミナー世話人アンケート”というテーマで発表をさせていただきました.本セミナーのホームページは小生が管理をしておりますが,その特徴は,第1回からの抄録を全てPDFファイルにして載せており,どなたでも観る事ができるようにしている事です.内容は医師向けのものもあり,専門的で難しいものもありますが,興味のある方は是非,観ていただきたいと思います.第1回から25年が経過し,各年の抄録内容を読んでみますと,関節リウマチの治療薬や診断方法の進歩がよくわかります.今回発表しましたJAK阻害剤は,25年前は全くなかった薬剤です.2002年に生物学的製剤のレミケードが発売され,画期的な治療が可能となりました.その後多くの種類の生物学的製剤が使用可能となり,関節リウマチもほぼその活動性を抑える事が可能となりました.関節破壊も予防でき,人工関節を必要とする患者さんも本当に少なくなりました.2013年にJAK阻害剤のゼルヤンツが発売され,リウマチ性疾患の治療もさらに新しい時代に入って参りました.生物学的製剤はそのサイズが大きいため,経口で投与しますと胃で分解されます.そのため,点滴や皮下注の注射で投与する必要がありました.一方,JAK阻害剤はそのサイズがとても小さいため,経口で投与しても胃を通り抜け,関節に到達,生物学的製剤と同等の効果を発揮します.勿論,JAK阻害剤にも,悪性腫瘍,心血管疾患,帯状疱疹の発生などの可能性もあり,専門医での慎重な経過観察下での投与が必要ですが,関節リウマチで苦しんでおられる患者さんにとって,希望の光となる薬剤です.

本日の発表の内容も準備が出来次第,アップ致します.

これまでのリウマチの治療の変遷に興味がある方,また,より深く勉強したい方は是非,ホームページに行っていただきたいと思います.

http://www.hakatara.net/