2024年7月14日(日)
癌ケアの必要性
初診の患者さんには、必ず既往歴をお聞きしますが、癌と答えられる方がたくさんおられます。ある患者さんが腰の痛みを訴えておられ、検査をしますと、骨密度が著明に低下していました。50歳代ですが骨年齢は約100歳でした。癌に対する化学療法を受けた後に、体力が落ち運動も出来なくなったとの事でした。その結果、骨粗鬆症になった事が判明しました。他にも癌の治療で体力が落ちたので整形外科である当院でリハビリをしたいと訴える患者さんが多数おられます。
癌の治療はとても身体と心に負担がかかります。治療が終わった後でも、癌の病院では整形外科的なリハビリは出来ません。一方、整形外科クリニックでも、癌の治療とは関係なく骨粗鬆症などの治療を行っているのが現状です。いわゆる癌サバイバーの患者さんをきちんと診察をして治療、経過観察を行うシステムが日本には存在しないのです。
そこで我々は癌ケアというシステムを立ち上げることにしました。癌の治療後の癌サバイバーというジャンルに注目し、身体的ケアから精神的ケアまで全人的にサポートを行うシステムです。
まず、そのようなシステムのニーズがどれだけあるかを調べるために当院に来られた患者さんにアンケートを実施しました。その結果を以下に示します。アンケート総数は111名です。
1, 癌にかかった事がある方が身近におられますか?
ご本人 22名19.8% ご家族に 41名36.9% ご友人に 10名9.0%
おられない 38名34.2%
2, 癌サバイバーの方で、現在問題は有りますか?
22名中11名50%の方が問題有りとの回答
体力低下 8名 筋力低下 7名 関節機能低下 2名 胃腸機能低下 2名
3, 癌の再発の心配はありますか? (仮に自分が癌になった場合を仮定することも含む)
ある程度心配 45名40.5% とても心配 42名37.8%
心配なし、わからない 24名21.6%
4, 癌ケアシステムの必要性に関して
是非必要 52名46.8% あったら良い 42名37.8%
必要なし、わからない 17名15.3%
我々が想像したよりもはるかに多くの方が、癌ケアの必要性を感じておられました。
今後、癌ケアのシステムを創り上げていきます。日本でも初めての試みです。
ケアを受けられたい方,ご興味がある方,賛同していただける方はご連絡をお待ちしております。よろしくお願い致します。