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院長日記 | JR香椎駅直結のクリニック
院長日記

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DOCTOR’S DIARY

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2024年1月17日(水)

2024年の抱負です

明けましておめでとうございます.

2024年もよろしくお願いいたします.

 

今年の抱負に関して3点ご報告いたします.

1,海外の各国に負けない医療体制を確立する:先月タイで講演をして参りました.コロナ前までは毎年8回程度,海外で講演や発表をさせていただいておりましたが,久しぶりのタイでの講演でした.まず,タイに行って驚くのが医療の発展のスピードです.タイはASEAN(東南アジア諸国連合)の中心であり,欧米から直接資本が入ってきますので,医療や医学の発展も目覚ましいものがあります.どうも今の日本は閉塞感がありますので,海外に負けない医療体制を我々なりに確立していきたいと考えております.その中心になりますのが,リバースエイジの概念の普及と実践です.この概念の詳細に関しましては後日ご報告いたしますが,皆さんの身体および心の年齢を若返らせるためのシステムを今年は確立したいと考えております.リバースエイジという概念,覚えていて欲しいと思います.

2,高齢者における,血清反応陰性関節リウマチの原因の探求:関節リウマチにおいて,若い患者さんでは抗CCP抗体は80%から90%で陽性に出ますが,加齢とともにその陽性率は低下してきます.当院でも,他の病院で血液検査では陰性だからリウマチではないと言われたけど,関節炎が続くので詳しく調べて欲しいと,来院される患者さんが沢山おられます.教科書的には高齢者は,抗CCP抗体などのリウマチの指標が陰性になる率が高いとは記載されていますが,では,陰性の場合,どのように検査を進めるのか,どのように経過をみるのかに関しては詳細な報告はありません.血液検査で異常がでない患者さんもたくさんおられます.その解明の機序に関与する可能性がある概念のひとつとして我々が考えておりますのが細胞老化です.今年はその概念に関してもより詳細に探求を行っていきたいと考えております.

3,人工膝関節置換術における,一人ひとりの患者さんの骨の形態に適した手術方法の確立:2000年以降,膝の患者さんの骨の形態に関してはかなり多くの報告をして参りました.一方で,現在,日本においても,人工膝関節にナビゲーションシステムやロボットを使用する病院が増加しております.その理由は骨切りが正確にできるためです.確かにナビゲーションシステムを使用しますと正確な骨切りができますが,一人ひとりの骨の形は異なり,骨の変形(解剖学的バリエーション)がある場合には不都合がでてきます.ナビゲーションは正確ですが,その基盤となります地図が間違っていたらナビゲーションは間違った目的地を目指します.骨の変形が強い場合,念入りな術前計画と矯正のための骨切りの技術が要求されますが,残念ながら,矯正を正確にできるロボットはまだ存在しません.熟練の匠の技が求められる手術もあるのです.どのような膝でどのような矯正が必要かなど,人間の手でしかできない手術方法も確立していきたいと考えております.