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院長日記 | JR香椎駅直結のクリニック
院長日記

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DOCTOR’S DIARY

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2023年1月24日(火)

掲載された論文の内容に関してのお話です

2022年12月末に,我々の英語論文“Assessment of influences of posterior rotation of the tibial condyles on the Insall-Salvati ratio”がネット上で公開されました.Scientific Reportsという雑誌に掲載されたものです.掲載料が2409ドル,日本円で33万7,810円ととても高かったのですが,膝を永年研究してきた者にとっては記念すべき論文となりました.

その内容を紹介させていただきたいのですが,膝関節を構成する下の方の骨であります脛骨の形状により膝蓋骨の形状が決定されるというものです.2020年の我々の論文“The posterior tibial slope is mainly created by the posterior rotation of the tibial condyles”の中で,脛骨の中枢の部分である顆部の形状は成長期の体重のかかり方により,その形状が決定されるという理論を提唱しました.その内容ですが,膝を横から見た図になりますが,成長期には脛骨の成長板という場所で骨が伸びていきます.体重がかからないと全ての部位で骨が伸びていくのですが,体重がかかると骨の成長が阻害されてきます.体重の垂直にかかる重さにより後方の骨の成長が阻害され,脛骨の顆部が後方へ回転します(脛骨顆部後方回転).また,体重の水平の重さにより関節面が後方へ引っ張られ,顆部の形状が変化していきます(菱形変形).

今回の論文では,この脛骨顆部後方回転が大きければ大きい程,膝蓋骨も菱形変形を起こし,その長さが長くなるという事を証明しました.整形外科の歴史も100年以上ありますが,このような骨の形状の研究は世界で初めてであり,脛骨顆部後方回転や,脛骨顆部と膝蓋骨の菱形変形に関しては,整形外科の歴史に少し足跡を残せたかなと考えています.

2022年の別の論文“Proximal tibia vara involves the medial shift of the tibial articular surface”では膝を正面から見た時にO脚になる原因である脛骨顆部の内側への傾き(内反)も成長期の体重のかかり方によるものであると証明しました.日本式の畳の上での生活,特に正座は脛骨顆部の内反を起こしO脚になる可能性があるようです....