2024年6月8日(土)
SDM(Shared Decision Making)への取り組みについて
SDM(Shared Decision Making)を、皆様ご存知でしょうか?日本語には、共同意思決定とか協働的意思決定と訳されます。
その内容ですが
病院において、例えば骨折がわかった場合、手術が必要ですと説明があれば、患者さんは手術に同意をします。一方、関節リウマチや骨粗鬆症の治療においては、治療の内容が多種類にわたり、どの治療が最も良いとは言えない場合も多くあります。この時に、医師・看護師と患者さん、およびご家族で話し合いを行い、治療方針を決定していく、治療内容に合意を得ることをSDMと呼びます。医師や看護師からの一方的な説明で患者さんが同意をするという時代ではないのです。
当然ながら、話し合いに時間が必要となりますが、整形外科では、診療科の性格上、沢山の患者さんを診察しなければならないというジレンマが存在します。
その対応として、予約の上限を決めておくこと、また、未来オーダーという操作を行っております。予約をされている患者さんで、外来受診を予定されている日時のカルテにおいて、必要な検査や診察上の問題点など、また、過去の血液検査の結果の記載などを行います。
この操作は結構時間がかかり、1日80名ほどの患者さんを診察する予定ですと、約2時間の時間がかかります。
未来オーダーの良い点は、時間がある時に操作を行うため、必要な検査の入力ミスが減り、過去の検査結果などから、今後の治療方針をしっかりと決める事ができる事です。必要な場合は再来前に直接お電話を差し上げる事もあります。
逆に言いますと、診察する日に2時間の余裕が出来る事になります。その分、診察時間内にて、SDMを行う時間が出来ます。
また,看護師さんや受付スタッフとの連携も重要です。看護師は未来オーダーを前もって確認し、薬剤の在庫の管理から,採血・検尿・注射・点滴の用意を行います。
このように,スタッフ全員で協力し、患者さんの待ち時間をなるべく短くし,スムーズに診察,検査,注射,処置などが行えるように日々準備をしております。
時々思うのは、料理をされる方で美味しい料理を作るためには、時間をかけた下ごしらえが必要です。我々としましても、限られた時間の中でより良い診察の時間が作れたら良いと考えております。